看護師のワークバランス問題

現在過剰労働の過去への反省から一般にワークバランスの重要性が指摘される中で、看護業界に於けるワークバランスは、その仕事の特質上殊に重要視される状況にあります。
看護師の本来的な24時間体制の病院勤務では、2交代や3交代で夜勤もあり、不規則な生活を強いられると同時に絶対にミスは許されない仕事の特殊性も有しています。その為、看護師の多くが経験を積む為に新卒で入る病院施設では、仕事上肉体的・精神的な負担が大きく、如何にして貴重な休みをプライベートに割くかが、多くの看護師が直面する問題となっています。
また、未だ女性が看護師の多数を占める現状からは、出産や育児また肉体的変化など女性特有の人生の転機もワークバランスを再検討する大きな要因となるのが実情です。看護免許は基本的に一度取得すれば一生有効で、全国何処でも通用し、また古今東西看護師需要が高い状況から、働く気力・体力また当然必要な看護技能さえ有していれば、生涯働くことのできるプロフェッショナルな仕事です。その為、働くことを前提に、生涯に渡る大きなビジョンでプライベートとの両立を図る場合には、個々のライフステージとライフスタイルに合わせて柔軟に仕事を選ぶことが重要となります。
これらのことから、看護業界では以前から転職や異動が盛んに行われており、一生同じ職場の同じ勤務形態で仕事を続けることが少なく、時々の状況に応じて柔軟にワークバランスを図ることが、長く仕事を続ける上で重要な点となっています。